自動散水における「系統」とは何か?
この記事では、
・自動散水の仕組みを知りたいかた
・電磁弁の役割を知りたいかた
・適切な散水計画を作れるようになりたい方
上記のような事を調べたい方のお役に立つ内容です。
はじめに
自動散水システムは、庭や屋上緑化、スタジアムなどにおける効率的な水やりを実現するために不可欠な設備です。このシステムの設計や運用において重要な要素の一つが「系統」です。他にも呼び方としては「エリア」「ゾーン」という表現をすることもあります。
本コラムでは、自動散水システムにおける系統の基本的な概念から、その重要性、設計時のポイント、注意点までを詳しく解説します。
1.系統とは
電磁弁が1個設置されているなら1系統、3個設置されているなら3系統と呼称します。
散水機.comで扱っている電磁弁システムも、個数に応じて商品ラインナップがあり、最大6系統の電磁弁ユニットをご用意しています。
下記の写真は電磁弁システム4系統ですね。
2.系統を増やす目的
系統を増やす目的は主に3つあります。
①水量の管理
例えば、スプリンクラーを12本取り付けたい現場があった場合、すべてを同時に出すと水の供給が追い付かなくなり、スプリンクラーで適切な散水が出来ない場合があります。そのため、系統(電磁弁)を増やすことで、スプリンクラーを1つの系統に4本ずつ設置し、3回に分けて散水するといった分散散水を行うことが出来ます。
②系統ごとに吐出量の違う散水機を付ける
スプリンクラーとドリップチューブを比較した場合、同じ散水時間でも水の出る量は全く違います。
系統分けをせずに同一の配管にスプリンクラーとドリップチューブを接続してしまうと、どちらかの植栽が水のあげ過ぎか、水不足になってしまいます。吐出量の違う散水機を運用する場合はそれぞれの散水機ごとに系統分けを行う必要があります。
③散水機時間、散水頻度を管理する
先ほどの②と同じ考え方ですが、同じ散水機であってもエリアによって散水頻度を調節する場合は系統分けが必要です。
例えば、
・同じスプリンクラーでも芝生に対してのものと、苔に対してのものがあるような植栽の種類。
・同じ植栽でも方角により日が良く当たるところと、陰になりやすいところ。
上記のような場合同じ散水機であっても系統をあえて分ける方が植物にとって良い水やりが出来ます。
より専門的な管理が必要なサッカーグラウンドなどの競技場では、
スプリンクラーの水は直線状に放水し、ノズルが90度、180度と扇を広げるように水を撒きます。角度が広くなるほど、同じ散水時間でも折り返しのスピードが代わってきますので、散水角度ごとに系統を分けるデリケートな計画も求められます。
3.正しい系統分けで自動散水を導入しよう
自動散水システムにおける「系統」は水の供給を安定化させ、エリアごとに適切な散水を実現するために欠かせない要素です。
系統分けの考え方をわかっていないと自動散水は上手くいきません。そして正しい系統分けを行うにはスプリンクラーやドリップチューブの種類、特徴をしっかり把握したうえでなければ考えることができません。
散水機.comでは、今お話したような考え方をもってプランニングさせていただいております。
ぜひご安心いただいて自動散水導入をご検討の方はお問合せください。
また、これから自動散水を行っていきたい業者様は、施工方法を含めた勉強会・フォローも行っていますのでお問合せください。