「芝を守る仕事」フィールド事業部・高橋さんが語る現場の声

この記事は
・芝生の維持に悩みがあり、散水の効率化を検討している方
・公園や競技場の設備改善に向けて実績ある業者や担当者を探している方
・芝生の養生・維持に課題を感じているグランドキーパー様
上記のような方のお役に立つ内容です。

水のプロフェッショナル、高橋厚さんとは?
グローベン株式会社・フィールド事業部の高橋厚(たかはしあつし)さん。
自動散水を通して全国のグラウンドや施設で芝生を守る仕事を続けて10年以上。現場での経験を通じて、芝生が求める環境、そしてそれを実現するための最適な潅水方法を熟知している数少ないプロフェッショナルです。彼はお声がかかれば北海道から沖縄までどこへでも駆け付けるフットワークの軽さからか、アポイント訪問の達人としてニックネーム「アポさん」と社内・取引先含め呼ばれています。
高橋さんの略歴

2011年 グローベン入社
設備設計のお客様を中心に自動散水の普及に努める
2021年 フィールド事業部立ち上げ
スポーツフィールド・ゴルフ場などを専門とした提案営業に注力
現在の主要取引先 名称順不同
J-GREEN堺・メルカリスタジアム・金沢ゴーゴーカレースタジアム・三協フロンテア柏スタジアム・富山県総合運動公園陸上競技場・石川県西部緑地公園陸上競技場・鴨川陸上競技場・浦安D‑パーク 等
グラウンドキーパーの声を聞く、現場主義のスタンス
高橋さんの仕事のスタイルは、何よりも「現場ファースト」。どれほど優れた設計図があっても、現地の配管の通り方、貯水タンクの貯水量、水圧条件、芝生の種類、周辺環境などは千差万別で、現場でしか分からないことが多々あります。
「図面と実際はまったく違う。現地で確認し、芝の状態を見て、初めて適切な判断ができます」
実際に現場で散水状況を確認し、水の飛び方、滞水ポイント、乾きやすいエリアを目視と経験で捉え、最適なスプリンクラーの配置やノズル選定を行います。
このような現場主義のスタイルこそが、グラウンドの持続的な健全維持を可能にしています。
時にはその場でグランドキーパーさんと芝生をめくり、スプリンクラー調整を実地。
「一部の掘削で中身を取り出すことができるのは弊社商品の強みです」と嬉しそうに語ります。
現場で見つけた課題と、独自の工夫
グラウンドにおける潅水には、以下のような課題がつきまといます
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散水ムラによる芝生の劣化
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水圧の不安定さ
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グラウンドの使用時間と潅水時間のバッティング
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散水後の水たまり・ぬかるみ
高橋さんは、これらの課題に対し現場ごとに工夫を凝らして対処してきました。たとえば、特定エリアだけ乾燥が激しいグラウンドには、ピンポイントで調整できるスプリンクラーを提案し、さらにスマートコントローラーを活用して、日々の使用水量もすぐに把握できるプログラムを設定。
「最新の機器をただ導入すればいいわけではありません。大事なのは、その現場に合った調整です」
地中の勾配や日照条件をふまえ、1台ずつスプリンクラーの角度や水量を微調整する高橋さんの姿勢は、まさに“水の調律師”と呼べるほどの精度です。

導入事例:某所サッカーグラウンド ハーフタイムで短時間で均一な散水を求めて高橋さんに相談
最近あったサッカーグラウンドでの導入事例では、ハーフタイム中に短時間でもっと的確に散水できないかという課題を抱えていました。
そのグラウンドはすでに他社製品のスプリンクラーが配置されていましたが、一方向からしか散水されないパートサークル型でした。そのため360度散水で、且つ必要十分な水量を芝に与えるには時間を要していました。
実際のスポーツイベントでは、試合開始前やハーフタイム中にスプリンクラーで芝を湿らせる光景が見られます。これは単に見た目のためではなく、選手のプレー環境や安全性に直結する重要な役割を果たしています。
「乾いた芝の上でスライディングをすると、芝の葉が肌を傷つけることがあるんです。潤いのある芝にすることで、選手の肌へのダメージを軽減できます」
また、ボールの滑りやスピード感も変わってくるため、プロフェッショナルな環境では事前に適切な散水を行うことが常識とされています。高橋さんはこうした細かな要素にも気を配り、適切な潅水タイミングや水量を提案しています。
そこで高橋さんは、既存の他社スプリンクラーの飛距離と、水量に近しいものでありながら、バックノズルによる後方散水可能なフルサークル型スプリンクラーを特注で用意し、この課題を解決しました。

相談しやすい潅水のパートナーとして
散水システムは機械設備でありながら、「使う人の理解」と「維持管理の継続性」がなければ宝の持ち腐れになります。
「グランドキーパーや施設担当の方が、自分で触れる設計が理想です」
そのため高橋さんは、施工時に関係者向けの簡易講習も行っています。使い方の説明だけでなく、「もしトラブルが起きたらどう対処するか」「自分でできる点検項目」なども丁寧に共有することで、長く愛される潅水システムを根づかせているのです。
グラウンドキーパーさんの仕事は
目立たないけれど欠かせない“裏方”の仕事です。しかしその仕事があるからこそ、芝生が輝き、グラウンドが人を迎える空間として機能します。そんなグラウンドキーパーさんに寄りそう高橋さんは裏方の中の裏方といっても過言ではありません。
「困ったときに思い出してもらえる、そんな存在でいたいですね」
グランドの散水に関するお悩み、課題、導入検討など、どんな小さなことでも構いません。高橋厚さんが、現場の視点から、最適なご提案をお届けします。

