自動散水と上手に育てるポイント 芝生編
芝生の水やりについて
芝生の水やりは午前中の涼しい時間に行うのが大原則です。その理由として、太陽が昇った後、日中などの気温が高い状態で水やりをすると、芝生の中や根が蒸れた状態になり、芝生の生長に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
また朝露は芝生の葉についていると雑菌が繁殖しやすく芝生が傷みやすくなる。その為、早朝の散水は露払いとなり芝生の生育に有効です。
散水量について
芝はイネ科の特性から基本的に芝生は大量の水を必要とする植物です。芝生1平方メートルあたりの1日の蒸散量は5ミリ前後と言われており、人工的に芝生を敷設するなどした際には必ずと言っていいほど散水が必要になります。
芝生の蒸散量から散水時間は1m2あたり10~20リットルの水を撒くと良いとされています。設置した散水機の吐水量から、散水量を決めていきます。
この基本的な散水量を踏まえた上で、夏芝と冬芝の種類と散水方法について詳しく解説します。
芝生の種類で探す
夏芝の種類と散水方法
ノシバ
日本芝。環境に対する適応力が大きい。陽地を好むが、半日陰地にも生育する。耐寒・耐乾性が強い。水はけのよい砂壌土が良く、茎葉は粗く堅い。葉幅は広く4mm以上。生育は初から秋で冬季は枯れる。踏圧に強い為、グラウンド、野球場の芝生広場、ゴルフ場のラフなど広く利用できる。
コウライシバ
環境に対する適応性は普通である。葉が細かく、小形になるほど暖地性で、時に常緑となる所もある。陽光地で水はけのよい砂壌土を好む。耐乾性が強く、踏圧に対する抵抗力も強く刈り込みにも耐える。古くから庭園、公園、ゴルフ場のフェアウェイ、各種グラウンドなど広く利用されている。また家庭向きの芝でもある。
ビロードシバ
コモン バーミュダ グラス
日本芝に近い生育の仕方をする。性質は強靭で高温や乾燥に強く、耐湿性に優れるが、日陰地に弱い。生長は極めて早く、踏圧や刈り込みに対する抵抗性は強い。砂質土~砂壌土を好むが、比較的土質は選ばない。校庭、広場、グランド、ゴルフ場などに利用。ハイブリッド種として、有名なティフトンがある。
ティフトン328:葉が最も細かく緻密
ティフトン419:328よりは葉が粗いが緻密
ティフトン 57:茎が太目で密生する。やや堅い
シーショアパスパラム
シーショアパスパラムは在来種の5倍以上の耐塩性を有しており、海水をかけても色が変わりません。またほかの夏芝では出せないブルーグラスのような濃い緑色が独特。また無酸素耐性があり、水はけが悪い場所でも生育が可能。生育は極めて早く短時間でグランドカバーできます。海浜緑地や埋め立て地、沿岸部のスタジアムなどで良く使われています。
冬芝の種類と散水方法
ベントグラス
西洋芝の基本種に挙げられる多年草で、品種が多く最も良質な芝である。葉質は柔らかく、緻密な芝生になる。刈り込みに強く、短い刈り込みができる。陽光地を好みやや湿り気のある所が良いが、日陰地に対する抵抗性もある。主にゴルフ場のグリーン、公園、庭園などに利用される。
ブルーグラス
ベントグラスより葉幅は広く、環境条件に対する抵抗性は大きい。湿潤な埴壌土を好む。日光、水、肥料に対する要求度は高いが、生育はさほど早くない。耐寒性は強いが、耐暑性は弱い。
代表的な品種
ケンタッキーブルーグラス、カナダブルーグラス、メドウブルーグラス