0から解説 水量水圧の関係と測定の仕方
この記事では、
・自動散水で必要な給水配管口径の考え方を知りたい方
・どうやって水圧を測定すれば良いかわからない方
上記のようなお悩みをお持ちの方のお役に立つ内容です。
※この記事はグローベン株式会社の散水機に準じた記載であり、他のメーカーの場合は異なる場合がございます。
また、この記事は前回記事「0から解説 ポップアップスプリンクラーの設計方法について MRM式編」を先にお読みいただくと
より分かりやすいと思います
給水管の口径で1系統の設置本数が決まる
前回の「0から解説 ポップアップスプリンクラーの設計方法について MRM式編」にて、
スプリンクラーを1つの系統で何本も設置できる訳ではないと記載しました。
それは、配管の口径によって、送り出せる水量に制限がある為です。
下記の表が各口径ごとの水の流れる流量を現した表です。(管内流速は2m/s として)
一般的な蛇口の口径は13Aです。そのため地中にある自動散水用に分岐をする水道管も13Aである可能性が高いです。
表より1分間に出せる流量は16ℓまでということがわかります。
当社のMRMスプリンクラーのEノズルですと、ノズル180度 水圧350kPaの時に水量が
7.73ℓ/min ですので、2本で15.46ℓ/min と、ギリギリであることがわかります。
前回の概算設計のポイントで
「スプリンクラーは1系統2本まで」と記載したのはこの点が重要だからです。
現場の口径の調べ方
図面の確認
計画段階か建物の引き渡し時に貰っている図面で、「給排水衛生設備」について記載された図面を確認すると把握できることが多いです。
その図面があれば、どこまでが太い配管で、細い配管になっているのかがしっかりと確認できます。また、現場調査するときにも配管の設置位置が図面から予測できるので調査時間の短縮にもつながります。
現地調査
もしも図面ない場合は、実際に自動散水の給水に使用したい場所のあたりを掘って確認する必要が出て来ます。
水道メーターの確認
大元の配管口径から調べる場合は、水道メーターのところに記載あるケースが多いです
この量水器を開けると、緑の蓋に記載のよう配管25mm(A)が大元であることがわかります
水圧の測定の仕方
そもそもの水量が把握できれば、次に重要なのが水圧です。
例えば配管口径13Aの時に最大16ℓ/minですが、
水圧によってそれが5ℓ/minしか出なかったり、15ℓ/min近く出ていたりと変動をします。
測定のためには水圧計で測定する必要があります。
上下逆で見にくくすみませんが、計りにより水圧が300kPaあることが測定できます。
散水機.comでも水圧計は取り扱いがあり販売しています。受注販売品ですので、お求めの際はお問合せください
上記の水圧計では、水圧が500kPaほどあることが確認できるので、自動散水の推奨水圧よりも高水圧の現場であることがわかるため、減圧措置が別途必要となります。
このように、水圧計という測定器は蛇口に取り付け水圧を直接測定することが可能です。
また、測定する蛇口は、散水機を取り付ける場所にもっとも近い水栓で測定することを心がけましょう。高低差や、配管の長さによっても水圧は変動するためです。
現場の流量の調べ方
適切な現場の調査の為には流量と水圧を知る必要があります。
水圧を調べるには水圧計が必須ですが、
流量であれば、
「バケツの水が何秒で溜まるのか?」調べることで、概算で現場の水量を確認する方法があります。
自動散水を導入できる十分な水量があるのか目安としてしてみてください。
方法としては
1・蛇口を全開にします。
2・何ℓ入るバケツか確認した上で、すばやく蛇口の下にバケツを入れます。
3・バケツが一杯になる秒数を計測します。
例:9ℓ用バケツが16秒で一杯になるなら
(9ℓ×60秒)÷16秒=33.75ℓ/毎分
となります。
※ 上記例は配管口径20Aとしての場合です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は水量と水圧の関係を中心にご説明させていただきました。
実際にはここから損失水頭という摩擦による水圧の減少、高低差の水圧の変化などでさらに水圧は変わりますのでその点の調査も必要です。
そういった細やかな確認もしながらの設計を散水機.comでは対応しておりますので、ぜひ自動散水をご検討の際はヒアリングをさせていただき、お客様に適したプランニングをさせていただければと存じております