庭は眺めて楽しむものから中に飛び込んで遊べる空間へ
山中育樹園様 山中様にインタビュー
こんにちは。散水機.comの矢野です。
今回は兵庫県伊丹市に構えている植木・園芸と造園外構の専門店である山中育樹園株式会社の山中様にインタビューをさせていただきました。
昨今の日本の猛暑が長く続く気候変動などから、園芸での販売ニーズや、求められる庭が変化しているのか。そしてお庭と自動散水の関わりの注意点などのポイントを詳しくお聞きしました。
- 御社のお仕事を教えて下さい。
兵庫県伊丹市にある植木屋・園芸店を併設する造園・外構の専門店です。園芸店として植木の販売、造園・外構の設計施工をしています。
会社は1773年に創業し、現在私で10代目と聞いています。歴史も大事ですが、今目の前のお客様がどう当社を捉えてくださっているかが大事だと思って、日々お客様とお話させていただいております。
- 山中育樹園様のお客様は現在どのようなお庭を求められることが多いですか?
もともとは家の中から眺める庭をご提案することが多かったですが、コロナ禍以降は外で過ごすことに重きを置いた庭を提案することのほうが多くなりました。
外構造園業界もそれに合わせてグランピングしかり、庭で楽しむためのアイテムが増加しているイメージを持っています。
- 最近の日本の酷暑から私は逆かと思っていましたが、違うのですね
お客様が最近の日本の酷暑などの気候変動を考慮してこんな庭にしたいというような依頼はありません。お客様は気に入ったお庭の写真をもってこられ、こんな庭にしたいという理想のお庭を求めて山中育樹園にご相談くださいます。
私もその期待に応えるための設計をしていきます。そのこんな風にしたいという庭をどう実現させるのかが逆に今求められている力かもしれません。
散水機.comの自動散水を使用するときは、そういった理想のお庭をするにあたって、やはりお施主様が水やりをする時間を設けられない方であったり、手巻きでは数時間かかるような植物を植える予定となる広い緑地があるところで使用することがあります。
どんな庭にも自動散水を提案するわけではないのですか?
自動散水は非常に便利なシステムですが、弱点があります。それは植物をずっと甘やかしてしまう状態になってしまうことです。毎日水をもらえる環境だと根っこが地下水を求めて伸びていかずに浅い根っこになってしまうことが問題としてあります。
そのような状態の植物が、数年後自動散水機が故障などで止まってしまった時に持久力がなく枯れてしまうのです。
ー自動散水とうまく付き合っていく方法はないのでしょうか
例えば、ずっと同じ時間に散水の設定をしていて、数年経ったからと急に自動散水を止めてしまうのは、先ほど言った通り浅い根っこのままの樹木なので一番最悪なパターンです。
数年単位で徐々に散水パターンを減らしていくような計画が必要です。毎日から隔週、週に1回というような
山中育樹園ではプランニング中や施工後の引き渡し時などにお客様に植物の水やりの方法や選定の仕方なども説明し、ご理解をしていただくようにしています。
山中育樹園の公式サイト・SNSでは「植栽図鑑」という植栽専門コラム作成、Instagramで毎日植物や造園設計の情報を発信しています。
植栽図鑑は当時葉っぱの先などしか写っていない写真がネットには多かった印象で、これでは一般のお客様では分かりづらいだろうと思い、自社で販売している植栽の全体像を写すようにして、植物の特徴と共に知ってもらうように更新しています。
植物の名前で検索されると当社の植栽図鑑のコラムが表示されることもよくありますよ。
ー散水機の良い点はありますか?
ドリップチューブは水やりの仕方としては適した方法であると思います。
水はじわじわとあげる方が良いです。地面にできるだけ刺激を与えないのがポイントです。
団粒構造というのですが、土が玉々の状態でくっついている状態が植物にとって理想です。適度な空気もはいっていて、例えば山の中の土が団粒構造になった土であると思って頂ければ。
上の方で木が茂ることで地面に直接雨水が当たらない為団粒構造の土になりやすいのです。
- 山中様 お忙しい中ありがとうございました!
取材日2024年2月9日
インタビュアー 矢野勝