0から解説 ポップアップスプリンクラーの設計方法について MRM式編
この記事では、
・ポップアップスプリンクラーを設置してみたい方
・ポップアップスプリンクラーの仕組みを知りたい方
・ドリップチューブの設計・拾い出し方法を知りたい方
上記のような疑問をお持ちの方にお役に立つ内容です。
※この記事はグローベン株式会社のドリップチューブについての記載であり他のメーカーの場合は異なる場合がございます。
①ポップアップスプリンクラーとは
ポップアップスプリンクラーとは、通常は地面に埋設されていますが、水が供給される水圧によって、地面から立ち上がり水を放水するスプリンクラーのことです。そのため、必要なのは水だけで他に電気などのエネルギーは必要としません。
散水機.comのMRMストリームヘッドは、ノズル交換のみで約3~8mの飛距離を調整でき、さらに水の出方も回転しながあら放水し5種類の飛距離の異なる水が出て範囲内をムラなく均一に散水します。
②スプリンクラーの拾い出し方
スプリンクラーを拾い出す時は、実際の図面にスプリンクラーの範囲を描くのが一番わかりやすいです。
スプリンクラーの水の出方は基本的に円形か扇形(MRMは長方形もあり)ですので、コンパス等で実際に描いてみましょう
サンプル図面
この芝生に対してスプリンクラーを設置してみます。
今回はMRMノズルの、半径約9mのEノズルと半径約6mのCノズルを使用してみましょう。
③スプリンクラーを描く時のポイント!
実際に作成した計画です。 Eノズルを2本・Cノズルを2本 合計4本設置です。
(1) 水がかかってはダメなところと、良いところを把握しよう
例えば隣地。たとえばデッキ、歩道。いつも水が飛んでは困る所には水が当たらないように描いてみましょう。
今回は芝生以外には水が当たってはダメとして計画をします。
(2)飛距離は余裕をもって少し短めに設定しよう。
MRMノズル性能表をみて疑問に思われた方もいるかもしれません。同じノズルでも水圧kpaが変われば半径mも若干異なります。
設置したい現場の水圧がどれかなんてわからないというケースもあるでしょう。
散水機.com(グローベン)ではそのような状況も考慮し、このカタログ記載の数値より飛距離が落ちると想定して設計をします。
これは、そもそも現場は外ですので風などの外的要因で飛距離が実際には落ちることも想定しています。
今回はEノズルは8mとして。Cノズルは6mと想定します。
(3) 各スプリンクラーは重なり合うように描こう
上述の(2)でも記載しましたが、外的要因で思ったより飛距離が伸びないケースがあることと、一番飛距離がいるところはスプリンクラーの
根本に近いところに比べて水が当たるまでに時間がかかります。それを他のスプリンクラーで補い合うのです。
(4) ポップアップスプリンクラーは飛距離を縮めるのは簡単。伸ばすのは大変
最初に記載しましたが、スプリンクラーは水のパワーがすべてです。水のパワーを落とすのは、バルブを絞ったり減圧調整機で水圧を落としたりすることで変えることが容易に可能ですが、パワーを出そうとすると水道本管からの調整や加圧ポンプを導入するなど大掛かりな工事が必要になります。
(2)と(3)を心がけゆとりある計画にしましょう。
別パターン
もしも芝生の隣の道(図面で茶色の道)にも水がかかっても良いということであれば、Eノズル3本で下記のような設計をすることも出来ます。
予算やニーズをヒアリングした上で許容値を見定めることも設計者の大切にしたいところです。
④スプリンクラーは一つの水路で何本設置できる?
図面にスプリンクラーを描いたことで、必要なスプリンクラーの本数がわかりました。しかし1つの系統(水路)で何本も設置できる訳ではありません。
ノズル性能表にあるようにスプリンクラーは水を沢山使用しますので、水源の水量と水圧が非常に大切になります。
概算設計の場合の目安
ポイント「スプリンクラーは1系統2本まで」
上述の別コラムで詳しく記載しますが、一般的な戸建て住宅を想定すれば
大体配管の口径は13Aであり、水圧は300KPAほどです。
その条件下でMRMのEノズルを適切な飛距離で飛ばすことができるのが2本と想定しています。
今回はスプリンクラーが4本なので、2系統(水路)が適していますね。
おわりに
いかがだったでしょうか
今回は概算設計ベースでの話ですが、実際には水源の配管口径・水圧から、現場に傾斜はあるのか。障害物となる樹木はないか。スプリンクラーと水源が遠い場合水圧がどれくらい落ちてしまうのか・・・などなど考えることが沢山あります。
それらを図面から。お客様からヒアリングをしながら把握してベストプランを一緒に考えます。
ぜひスプリンクラー設置をお考えの方はご相談くださいませ。